『ウソつきの国』

 非難を向けるべきは、その背後にある悪意なのであって、ウソそれ自体があかんことなんて実はほとんどないような気がする。

 人間存在の「誤植」という言い方はうまいと感じた。

ウソつきの国

ウソつきの国

 

「……しかし、よほど悪質なウソでないかぎり、邪悪ではない。人間の『存在』が生み出す、哀れで弱い『誤植』のようなものだ。……」

(130頁)